ミーハーに生きる。

エンタメ大好き。そんな日々の記録になれば。。。

2017年6月28日 坂元裕二×是枝裕和トークショー 自分用メモ

ずいぶん前の講演会だけど、無くしてたと思ったメモが出てきたので、自分の記録用に。

 

早稲田大学演劇博物館 2017年度春季企画展

「テレビの見る夢−大テレビドラマ博覧会」関連イベント

坂元裕二×是枝裕和トークショー ドラマの神様は細部に宿る】

2017年6月28日(金)18:30−20:00 早稲田大学大隈記念講堂 大講堂

 

《講演メモ》

・1,000人規模の会場!

・是枝監督→早大理工に通っている?*1

・坂元さんも10人程度の脚本の授業したりはしてる。

・以前、対談あり。2年くらい前かな?*2

・坂元さんは放送後は自分の作品観ない。振り返りたくないから 笑

・是枝監督はテレビ好き。

 

〜映像流れる『それでも、生きていく』第2話終わり〜

以下、主に坂元さん談

瑛太くんはひじにうで当てる癖がある。満島ひかりさんの声フェチ。

・2人(瑛太満島ひかり)のことは家族のように思っている。

・俳優さんの声を思い浮かべながら脚本は書いている。

・3話を書いている途中で東日本大震災があったが、作品中では関係ない話にした。

 でも、気持ちの面では影響したかも。

・被害者家族と加害者家族。子供が事件に会うことをテレビで扱う難しさがあった。

・スカートの話は震災後に書いた。

・セリフを書くごとに先の展開を決めていった。書き手が探っている感じがした。

・登場人物の履歴書を書く。

・文哉は改心すると思っていた。が、やっぱりちがうと思って書き直した。

・初稿はいつも練習。

 

〜映像流れる『それでも、生きていく』第5話 ラーメンのシーン〜

・是枝監督:「ラーメン食べながらでいいんで」のセリフ好き。

・坂元さん:食べながら話すシーンが好き。田中裕子さん、樹木希林さんがうまい。久世さんの影響。

・是枝監督は食事の準備や片付けのシーンで会話をさせることが多い。

・加害者〈悪〉、被害者〈善〉として書かない。善悪がはっきりしていると、人間的にリアルに感じないから。

・『誰も知らない』のYOUさんは、本来〈悪〉なのに明るく描かれていた。

大竹しのぶさんがドラマをリアルにしてくれている。

 

〜映像流れる『Woman』第6話 親子丼のシーン〜

・田中裕子さん、小林薫さんのキャスティングは向田邦子さんの影響。お二人ともちょっとダメな軽めな演技がうまい。

・坂元さん:テレビっ子ではなかったが、向田さんは唯一目指すところ。

・人が人を説得するシーンを書くのは恥ずかしい。

・このドラマでは「おいなりさん」がキーだった。

・「私が死んだら〜」のセリフに向かって進んでいたが、満島さんが言えないと言った。小春(役名)は死ぬ覚悟はないから。結局このセリフは入れず。その気持ちに持っていく脚本が書けなかった。

・娘→母になる話。

 

〜映像流れる『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』第3話 観覧車のシーン〜

・5話を書いている時に、タイトルを言わせることを思いつき、3話の現場で差し込みをお願いした。

・月9だからもっと派手にしようかと思っていた。東京湾の夜景とか花火とかスキーとか…

・スタッフから「ハッピーエンドありきで!」と言われたが、別れる終わりにしませんか?と提案。でもハッピーエンドで!と頼まれた。

・劇中の「資料的なもの」から感情は読み取れる。レシート、死体検案書、レシピとか

・通常のドラマではクライマックスに説得的なスピーチがあるのが基本。でも言葉で人の気持ちは変わらない。

・普通なら「おじいちゃんの手紙」で改心するが、蓮くんはちがう。「レシート」がキーだった。京都にレシートに日記を書いている人がいて、その方がヒントに。

 

『カルテット』について ※土井裕泰プロデューサー客席に?

・刑事モノとかが流行っている中で、ジャンルがないものだった。スッキリしないことが嫌ではない。

・キャスティングが最初だった。『 Woman』の後、松たか子さんと仕事したい!と思った。土井プロデューサーも同じ気持ちだった。

・メインの4人が決まってからテーマ決めた。TBS側は2組の夫婦の話、『最高の離婚』的なものを希望していたが、坂元さん「1回やったことはやりたくない」

・第3話 おそば屋さんのシーン。上着と背景の色を松さんが気にしていた。稲川淳二(BGM)はシーンを軽くするための演出(ドラマ用に撮ってくれた)。

・向き合って食べるシーン。1人を動かすのがうまい。よそ見をしながら、すずめポスター前に(だったかな?)、満島さんのアイデア。満島さんは書かなくても自分(坂元さん)がやりたいことやってくれる。

・セリフを現場で変えられることはほとんどない。変えられるなら変えてみれば、という気持ち。

 

『歩いても歩いても』について

・亡くなった兄が助けた子が訪ねてくる。その子が太っていて、無駄に大きくなっていた。(阿部寛の長身との対比でもある)

・なんとも言えない気持ちになる。いや〜な感じ。いなくなってから悪口。笑えるけれど残酷な描写。

・是枝作品はその場で言わないで後で言うことが多い。母親がそういう人だったから。

・是枝作品の「姉」のキャラ。実姉が2人いる末っ子長男。登場人物はフィクションだけど、かなり影響出ていると思う。笑

・坂元さんは下に弟妹(?)がいる。家族構成は自分ベースになりがち。

・その人の声で書き始めると寄っていく。

 

以上。

 

《感想》

坂元作品が好きなので、とても楽しく拝聴。作品の裏話を聞いて、改めて見返したくなった。お二人の作品に共通しているところは「食事シーン」という話を聞いて以来、いろんなドラマの食事シーンを注目して見るようになったけど、「芝居が上手い」と言われている人たちは、特に食事シーンの会話が自然な方が多いように感じる。食べる量が不自然だったり、セリフのために食べるタイミングがおかしかったり…ということがない。(逆にそういう俳優さんは気になってしまう)あと、俳優さんの「声」って大事なんだなと。

刑事モノ、医者モノ、弁護士モノ…が幅を利かせているテレビドラマ界で「ジャンルのない」「すっきりしない」ドラマも面白いよ、と伝えたい。最近では視聴率は奮わないけれど、twitterで盛り上がるドラマの一部はこのジャンルだし、また坂元さんに連ドラ書いてもらいたいな。テレビドラマは偏らずに、いろんなジャンルを楽しみたい。それが醍醐味でもあると思うし。

*1:調べたら教授らしい

*2:『世界といまを考える』かな?